2020年07月31日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、職員が図書館で所蔵する図書をご紹介します。

さて、今月は…

■No.1■
『海洋プラスチック汚染』(中嶋亮太著 岩波書店 2019)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:519.4/カイ>

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マイクロプラスチック問題、SDGs(エスディージーズ)と言っても何が問題なのか?ゴミは自然に分解されてきた。プラスチックは便利で身近になったが、安定構造で分解されず5o以下のマイクロプラスチックとなる。使い捨てなどのプラスチックは海に流出し、生態系に悪影響をし、人の口にも入り影響は未知である。そこで持続可能な開発目標(SDGs)がある。本書ではプラスチックと付き合う知識と分解される生分解性バイオマスプラスチックに希望を説く。
(紹介者 図書館一司書)


■No.2■
『日本の名随筆 別巻60 買物』(原田宗典編 作品社 1996)
<所蔵:久喜図書館 請求記号:914.6/ニ>

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物を買う行為にはその人のアイデンティティが垣間見える。どうしてその物を買うに至ったのかを見聞きすることは、とても楽しい。この本には「買物」を切り口に、それぞれの個性や、時にはバックグラウンドまでが透けてみえるような38編の随筆が収められている。取り上げたテーマは千差万別。知らなかった当時の世の中に思いを馳せて、新鮮な気分を味わうこともできる。巻末には各作家の略歴や代表作までがまとめてあり、次の読書へと繋がるブックガイドとしても使える優れもの。
(紹介者 自然科学・技術資料担当 吉田)


■No.3■
『多元化するゲーム文化と社会』(松井広志ほか編 ニューゲームズオーダー 2019)
<所蔵:久喜図書館 請求記号:798.5/タケ>

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私がこの本を手に取る時に頭に浮かんでいた「ゲーム」は、いわゆるコンシューマーゲームのみであった。だが、本書で対象とする「ゲーム」は実に幅広い。携帯電話・スマートフォンの浸透とともに広まったソーシャルゲーム、人狼などの今も人々に親しまれるテーブルゲーム、それぞれが文化をつくり、私たちの社会に影響を及ぼしている。社会学的な視点からもゲーム学的な視点からも読みごたえのある論文集。
(紹介者 バリアフリー読書推進担当 星野)


いかがでしたでしょうか。興味の湧く本があったら、ぜひ図書館で借りて読んでみてください。

それでは、次回もお楽しみに。
posted by 久喜図書館芸術文学担当 at 12:00| 資料紹介 | 更新情報をチェックする

2020年02月28日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、毎月、図書館職員が所蔵する図書をご紹介します。

さて、今月は…

■No.1■

『巨大ウイルスと第4のドメイン(ブルーバックス B−1902 )』(武村政春著 講談社 2015)

 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:465.8/キヨ >

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 ウイルスは小さい。そんな常識を覆す超巨大ウイルス発見のニュースが世界を駆け巡った。名付けて「パンドラウイルス」。しかも、驚くべきことに、軟体動物のような異様な形をしていたのである。
 ウイルスは限りなく生物に近い「物質」とされているが、その定義は本当に正しいのだろうか。本書は、今までの知見を超えた新しい生命の形を探求する。人類は禁断の箱を開けてしまったのかも知れない…。(紹介者:副館長 福沢)


■No.2■

『一以貫之(いつもってこれをつらぬく)』(二十九代木村庄之助著 高知新聞社 2002)

 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:788.1/イツ >

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 勝負をする者とは違い、勝負を裁く者はミスした時しか注目されず、その目線はあまり取り上げられないように感じる。本書は、9歳で親元を離れて以来、行司人生を55年貫き通し、最高位である立行司(たてぎょうじ)まで上り詰めた著者の回想録である。名力士とのエピソードを混ぜながら戦後の相撲界を行司目線で綴る。行司の心理や土俵上以外での役割、「相撲で使われる字はなぜ隙間が少ないのか」など相撲の豆知識も紹介する。(紹介者:新聞・雑誌担当 東)


■No.3■

『ノンデザイナーズ・デザインブック』(ロビン・ウィリアムズ著 朝日コミュニケーションズ 2008)

 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:749.1/ノン >

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 本書はデザインを学んだことがない人に向けたデザインの基本書だ。デザインの4つの原則である、コントラスト・反復・整列・近接について、豊富な例を通して読者に教えてくれる。練習問題も掲載されており、理論を知るだけではなく、実践力を身に着けることができるのも本書の特長だ。基本に徹した説明だからこそ、チラシやポスター、プレゼン資料など、あらゆるデザインに活用できる。(紹介者:芸術・文学資料担当 近藤)

それでは、次回もお楽しみに。

posted by 久喜図書館新聞雑誌担当 at 14:56| 資料紹介 | 更新情報をチェックする

2020年01月30日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、毎月、図書館職員が所蔵する図書をご紹介します。
さて、今月は・・・

■No.1■
気候で読み解く日本の歴史 〜異常気象との攻防1400年〜 田家康著 日本経済新聞出版社 2013』
 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:451.85/キコ >
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 律令国家の成立以来、我が国の歴史は、干ばつや長雨が引き起こす凶作や飢饉、疫病とどのように対峙するかという、気候変動との格闘の歩みでもあった。本書は、古気候研究のデータと、歴史資料・古文書の記載とをリンクさせながら、先人たちが生きた社会と気候変動との関係を明らかにし、源平の争乱や戦国大名による抗争といった、日本史上の大事件の背後にあるものをくっきりと浮かび上がらせる。地球温暖化に起因する異常気象の脅威にさらされる現代の私たちにとって、日々の生活基盤をどう守るのかについて考えるきっかけとなる一冊である。(紹介者 館長・高橋)

■No.2■
日本文学史 小西甚一著 講談社 1993
 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:B910.2/ニ >
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 本書を読むと古典文学は当時の人々の声を聞くことができるものであることに気づかされる。著者の日本文学に対する情熱は相当である。「色々な古典を読みなさい。さすれば自分が何を表現したいのかがわかりますよ。」と言ってくれているように感じた。文学作品をただ読むのではなく、作品がつくられた時代背景を知りたい人におすすめである。(紹介者 T.K)

■No.3■
理化学研究所 100年目の巨大研究機関 山根一眞著 講談社 2017
 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:407.6/リカ >
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 1917年理化学研究所は、欧米の模倣から自らの独創性を持ち、大規模な科学技術の研究所を造ろうという高い理念から設立された。以後100年にわたり、湯川秀樹、野依良治など多くの研究者たちが、最先端の科学技術を支えてきた。基礎科学を含めた研究の更なる必要性が叫ばれている中、本書は最先端研究の「いま」を浮き彫りにする。現場で働く研究者へのインタビューを交え、山根一眞が難しい科学を易しく伝えてくれる。(自然科学・技術資料担当 池谷)

■No.4■
日本書蹟大鑑 11巻 小松茂美編 講談社 1980
 < 所蔵館:久喜図書館 請求記号:D728.8/ニ >
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 『日本書蹟大鑑』は歴史上著名な人物の主要な現存遺墨を網羅する書跡基礎資料集である。第十一巻付録の月報に、昭和天皇の侍従長を長く務めた入江相政はこう記す。「とにかく書は、それを見ていれば、書いたのはどういう人か、どれぐらいの速さで、どんな気持で書いたかが、手にとるようにわかる」。同巻には織田信長から始まり、森蘭丸、明智光秀、千利休と戦乱を生きた人物たちの書状が収録される。2020年の大河ドラマを、書跡から眺めてみるのも面白いかもしれない。(情報・地域協力担当 森)

それでは、次回もお楽しみに。

posted by 久喜図書館情報・地域協力担当 at 18:00| 資料紹介 | 更新情報をチェックする