2014年04月03日

講座「卵子老化を越えて」(講師:河合蘭さん)を開催しました

「妊活」という言葉、ご存知ですか?

妊娠活動、略して「妊活(にんかつ)」。


社会で活躍する女性が増え、晩婚化も進む昨今、出産年齢はどんどん上がっています。


いつか生みたい…と思いながら、気づけば「高齢出産」と言われるようになる35歳が過ぎていた、「卵子老化」という言葉にショックを受けた、「不妊治療」を続けているが結果が出ない…そんな方も少なくないことでしょう。


久喜図書館では、高齢出産や不妊治療、出生前診断などについて、正確な情報や最新知識をお届けしたいと考え、去る3月8日に健康・医療情報講座「卵子老化を越えて」を開催しました。



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講師にお招きしたのは「卵子老化の真実」(文春新書 2013.4刊)著者で、日本で唯一の出産専門ジャーナリストの河合蘭さん。

衝撃的な題名に、「真実」を知るのはちょっと恐いバッド(下向き矢印)と本を手に取るのを躊躇した方もいらっしゃるかもしれません。


河合さんは「真実を知っても大丈夫、恐くないよグッド(上向き矢印)ぴかぴか(新しい)」とのエールをこめて、「卵子老化を越えて」という講演会タイトルを選ばれました。


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100分間の講演は、徹底取材から生まれた河合さんのあふれる知識と、悩める方々を救いたいという情熱に満ち、ほかでは聴けない貴重な情報もありました。


 
以下に内容の一端をご紹介します。


▸「卵子の老化」とは?「精子の老化」とは?


・卵子の数は胎児期をピークとして減り続けていき、質も変化する。加齢とともに不妊、流産、染色体異常などの発生が増えるのは事実。


・身体的な出産適齢期は20代だが、妊娠しにくくなるグレーゾーンの時期も、知識を持って残っている力を有効に使えば妊娠、安産も十分可能。


・精子は毎日生まれるが、熱やストレスに弱くやはり老化するため、男性にも適齢期がある。


▸ 晩産化はデメリットだけではない


・子だくさんの大正期は40代まで出産し続ける女性は珍しくなく、50歳前後の出産も今より遥かに多かった。


・1970年代の高度経済成長期に20代に出産が集中する社会が初めて出現。母親の多くが同年代の専業主婦という均一化された社会は、価値の一元化、お受験など競争社会を生む。幅広い年代が出産する社会は多様性の認められる健全な社会といえる。


・30〜40代の母親から生まれた子どもは、健康や安全、発達面で良好な傾向があるという調査結果もあり、高齢出産はリスクだけでなくメリットもある。


▸ 不妊治療についての具体的なアドバイス


・米国生殖医学会は、タバコ、肥満、やせすぎ、性感染症も加齢に並んで妊娠力を低下させる大きな要因だと注意を呼びかけている。

・「タイミング法」を続けるだけで自然妊娠に至る確率は大幅に上がる。


・その先は、不妊検査、人工授精、体外受精などの不妊治療があるが、それぞれの特色を正しく知った上で自分で判断したい。


・医療機関は「産婦人科」ならどこでもよいわけではなく、「不妊治療」を専門としている医師にかかることが必須。不妊治療は歴史が浅く、質は必ずしも保証されていないので、自分に必要な医療を受けられる納得のいく医療機関を探すことが大切。


  

「卵子の老化は身体からのメッセージ」「精子も卵子も、共に限られた時間を生きている。男女が共感し合い、寄り添って未来を想う心から結婚も妊娠も始まる」…からだの声に耳を傾け、知識を得て、残された時間をどう過ごすか自分で判断しましょう、とのメッセージが心に残りました。


 

講座の第2部は、図書館司書による 本 情報の調べ方案内『不妊治療の調べ方』 


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▸ 不妊治療に関する図書や新聞・雑誌記事の探し方

▸ 医療機関や相談窓口を探せるサイト

▸ 自治体の助成金制度

▸ サポート団体やイベント


などなど、図書館ならではのお役立ち情報をご紹介しました。内容は下記ページでもご覧いただけます。


「妊活〜晩産化時代に子どもを産む」資料展示リスト(リンク)

調べ方案内「不妊治療の調べ方」(リンク)


講座にはのべ150名もの方がお申し込みいただき、大雪により一度延期したにもかかわらず、当日も100名を超える方がお越しになりました。カップルや男性も少なくなかったことが印象的でした。


同時開催した資料展示「妊活〜晩産化時代に子どもを産む」も、好評をいただきました。


参加者のご感想より

・今回のテーマは、普段医者にも直接聞きにくいものもあるので、河合先生のお話は、非常に的確で理解しやすかったです。不妊治療などは、特にあまり相談しにくいものですので、一人で悩みやすいと思います。その上で河合先生の今日の講演会は、とても心強く思われた方もいらっしゃると思います。 


・とてもわかりやすく心に響くお話が多く参考になりました。本も読ませていただいたのですが「乗りこえて」というお気持ちが感じられてはげまされました。情報の調べ方は知らなかったコトだらけで勉強になりました。


・中味の濃い充実した講演でした。事実を決して悲観的にではなく、伝えていただいた。素晴らしい熱心な司書の方の活動を感じた(資料の集め方等)。活用したいと思います。



 

講座と資料展示の模様は、3月13日夜のテレビ埼玉「ニュース930」でも「特集」として放映され、まさに「旬」なテーマであったようです。


そこで、久喜図書館では「健康・医療情報コーナー」内に、関連図書やパンフレットを集めた 妊活情報コーナー を新たにオープン!


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コーナーのご案内と資料リストはこちらから(リンク)


先進国共通の課題である少子化が進むいま、渦中にある女性だけでなく、ひとりでも多くの方により正確で多様な情報・知識を知っていただき、人生を前向きに生きるヒントとしていただければと願っています。


みなさまのご利用をお待ちしています。



posted by 久喜図書館自然科学技術担当 at 11:24| イベント | 更新情報をチェックする