2020年09月15日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。

このコーナーでは、図書館職員が所蔵する図書をご紹介します。

さて、今月は…

■No.1■
『ある北朝鮮政治工作員の告白』(金東起著 河出書房新社 2002)

<所蔵館:県立久喜図書館 請求記号:929.16/キム523>
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 北朝鮮の政治工作員であった金東起が、33年間の過酷な監獄生活と出所後の生活を綴った手記。書名だけを聞くと身構えてしまうが、社会との接点を持ち続けることの大切さを描いている。冬は独房で一人、手足そのものが凍るほどの寒さや、外との文通や囚人同士の会話も禁止される壮絶さの中、壁を叩いて会話をするなどして生き抜いた。コロナ禍で人との繋がりが薄れる中、人の愛情に触れることの重要さを改めて考えさせられる。
(紹介者 五十嵐)

■No.2■
『寺山修司に愛された女優 演劇実験室◎天井棧敷の名華・新高けい子伝』(山田勝仁著 河出書房新社 2010)

<所蔵館:県立久喜図書館 請求記号:775.1/テラ>
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 前衛演劇界の寵児と運命的に出会い、天井桟敷の看板女優となり、寺山の急逝による劇団の解散後にきっぱりと引退して伝説へ。
 アングラと呼ばれる小劇場の百花斉放が演劇界に大きなうねりを起こす時代を寺山修司とともに駆け抜けた女優新高けい子の半生を通し、もうひとつの寺山論を展開する意欲的な試みだ。
 故郷青森への思いに重ねて綴る、著者の全霊を込めた演劇論である。遅れてきた寺山修司ファンにも自信をもっておすすめしたい。
(紹介者 月光仮面)

■No.3■
『認知症なんてこわくない』(福島和子著 真興交易医書出版部 2009)

<所蔵館:県立久喜図書館 請求記号:493.758/ニン>
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 著者は、医師の福島和子氏。病院での体験から、家族も患者も認知症をよく知らずに恐れていると気付いたという。前半で認知症の概略を解説。後半では、認知機能のリハビリ例の紹介などがあり、五感を活用した生活が予防になることも教えてくれる。
 図書のタイトルに逆らうようだが、認知症になるのはやはりこわい。そんな時、この図書は、認知症を理解し、向き合う方法を知る最適な1冊となりそうだ。ただし、医療の世界は日進月歩。別の最新の図書にも当たってほしい。
(紹介者 司書・高橋)

それでは、次回もお楽しみに。
posted by 久喜図書館新聞雑誌担当 at 14:21| 資料紹介 | 更新情報をチェックする

2020年08月21日

久喜図書館CD鑑賞会「ベートーヴェンの調べ『苦悩を突き抜け、歓喜に至れ』」開催しました!

 こんにちは。久喜図書館の芸術・文学資料担当です。

 7月24日(金)に、久喜図書館でCD鑑賞会を開催しました
 CD鑑賞会は、当館では初の試みとなります。記念すべき第1回のテーマは、「ベートーヴェンの調べ『苦悩を突き抜け、歓喜に至れ』
 2020年に生誕250周年を迎えるベートヴェンを取り上げました。


チラシ画像(改訂版).PNG


  durch Leiden Freude ―苦悩を突き抜けて歓喜を獲得する―これは、1815年にベートーヴェンがエルデーディ伯爵夫人へ送った書簡の中に登場する言葉です。

 難聴をはじめとした数々の病に悩まされ、一時は遺書を書くほどに絶望したベートーヴェン。しかし、彼はその絶望を芸術へと昇華し、幾つもの名曲を生み出しました。

 当日のプログラムは、ベートーヴェンの波乱万丈な人生を感じられるような以下の3曲。


1 ピアノ・ソナタ 第8番 「悲愴」

  演奏:ウィルヘルム・バックハウス 
  (「ピアノソナタ全集1」(資料番号:710116302)より)


2 ピアノ協奏曲 第5番 「皇帝」 第1楽章

  指揮:サー・コリン・デイヴィス
  演奏:クラウディオ・アラウ(ピアノ),ドレスデン・シュターツカペルレ
  (「ピアノ協奏曲全集」(資料番号:710058678)より)


3 交響曲 第9番 第4楽章

  指揮:ウィルヘルム・フルトヴェングラー
  演奏:バイロイト祝祭合唱団,バイロイト祝祭管弦楽団
  (「交響曲第9番ニ短調作品125:合唱/ベートーヴェン」(資料番号:710141623)より)


 司書による簡単なエピソードの紹介も交えながら、ベートーヴェンの楽曲の世界に浸っていただきました。

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 当日は、「久喜図書館CD鑑賞会 鑑賞ガイド」.pdfをお配りしました。ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

 今回のCD鑑賞会で使用したCDは、すべて貸出が可能です。残念ながら都合が合わず、参加できなかったという方も、ぜひご自宅で、CD鑑賞会気分を味わっていただければと思います。

 また、CD鑑賞会にあわせ、2階 公開図書室では資料展示「生誕250周年記念『楽聖ベートーヴェンの音色と、その生涯』」を開催しました。伝記、書簡集、楽曲の解説書、ベートーヴェンの楽曲が登場する小説、クラシックの入門書など、幅広い資料を集めました。

資料展示「ベートーヴェン」写真.JPG資料展示「ベートーヴェン」ガラス展示写真.JPG

 すでに展示は終了していますが、現在も展示資料リストを配布しています。クラシックについて調べる方法を案内した「調べ方案内 Milestone No.54」と併せて、お手に取っていただければと思います。

 今回は定員を大幅に減らし、座席の間隔をあけての開催となりましたが、その分ゆったりとした空間で、みなさま思い思いに音楽の世界に浸っていらっしゃったのが印象的でした。

 ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

posted by 久喜図書館芸術文学担当 at 14:41| できごと | 更新情報をチェックする

2020年07月31日

こんな本あります!―久喜図書館の書棚から―

こんにちは。久喜図書館です。
このコーナーでは、職員が図書館で所蔵する図書をご紹介します。

さて、今月は…

■No.1■
『海洋プラスチック汚染』(中嶋亮太著 岩波書店 2019)
<所蔵館:久喜図書館 請求記号:519.4/カイ>

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マイクロプラスチック問題、SDGs(エスディージーズ)と言っても何が問題なのか?ゴミは自然に分解されてきた。プラスチックは便利で身近になったが、安定構造で分解されず5o以下のマイクロプラスチックとなる。使い捨てなどのプラスチックは海に流出し、生態系に悪影響をし、人の口にも入り影響は未知である。そこで持続可能な開発目標(SDGs)がある。本書ではプラスチックと付き合う知識と分解される生分解性バイオマスプラスチックに希望を説く。
(紹介者 図書館一司書)


■No.2■
『日本の名随筆 別巻60 買物』(原田宗典編 作品社 1996)
<所蔵:久喜図書館 請求記号:914.6/ニ>

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物を買う行為にはその人のアイデンティティが垣間見える。どうしてその物を買うに至ったのかを見聞きすることは、とても楽しい。この本には「買物」を切り口に、それぞれの個性や、時にはバックグラウンドまでが透けてみえるような38編の随筆が収められている。取り上げたテーマは千差万別。知らなかった当時の世の中に思いを馳せて、新鮮な気分を味わうこともできる。巻末には各作家の略歴や代表作までがまとめてあり、次の読書へと繋がるブックガイドとしても使える優れもの。
(紹介者 自然科学・技術資料担当 吉田)


■No.3■
『多元化するゲーム文化と社会』(松井広志ほか編 ニューゲームズオーダー 2019)
<所蔵:久喜図書館 請求記号:798.5/タケ>

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私がこの本を手に取る時に頭に浮かんでいた「ゲーム」は、いわゆるコンシューマーゲームのみであった。だが、本書で対象とする「ゲーム」は実に幅広い。携帯電話・スマートフォンの浸透とともに広まったソーシャルゲーム、人狼などの今も人々に親しまれるテーブルゲーム、それぞれが文化をつくり、私たちの社会に影響を及ぼしている。社会学的な視点からもゲーム学的な視点からも読みごたえのある論文集。
(紹介者 バリアフリー読書推進担当 星野)


いかがでしたでしょうか。興味の湧く本があったら、ぜひ図書館で借りて読んでみてください。

それでは、次回もお楽しみに。
posted by 久喜図書館芸術文学担当 at 12:00| 資料紹介 | 更新情報をチェックする